理事長・学園長
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次の100年へ向けてtoward the next 100 years

学校法人日本文華学園の歴史は、大正5年に学祖である河口アイが、小石川(現在の文京区)の一隅に「東京家事裁縫研究所」を設立したことから始まります。時は大正デモクラシー中葉、まさに女性が自ら光り輝き始めた時代に、文華女子の礎は築かれました。

同時代の先覚者達は、普通選挙制度や婦人参政権を求める政治運動以前に、その意味を知るための女子高等教育機関が必要であることを痛感しました。そこでこの時期、民主主義・自由教育の思潮も後押しして、多数の女学校が設立されました。河口アイも「女性に学問は不要」という男尊女卑の時代に熊本で生まれ、早くに夫をなくして女手一つで子供達を育てながら強靭な意志を貫き教育者となり、婦人参政権運動の中心人物の一人として活動していくなかで女性の自立と男女平等社会の実現に思いを馳せ、女学校を設立しました。ここで河口アイは、人間的自立のための広く高い教養を身につけさせるともに、家事を自律的労働として捉え、経済的自立を可能とする職業水準の技能にまで高める教育をしました。その家事労働に対する世界観は、「東京家事裁縫研究所」と同時に「家庭助手養成所」を設立し、日本で初めて家政婦(派出婦)という職業を創設したことでも窺い知ることができます。

「東京家事裁縫研究所」は、3年後の「日本女子実務学校」、更に4年後の「小石川高等女学校」に継承されました。戦後、校名を現在の「文華女子高等学校」に改めましたが、女性の自立・社会的地位向上への願いは、その願いが創り上げた建学の精神「質実・貞純・勤勉」を不易として、今も文華女子の教育の礎となっており、進学校としての最大の使命である学力向上への取り組みとともに、プラスアルファとして身につけてほしい社会人・生活力と自律性を培う指導、即ち「未来自立力」育成へと発展しております。

さて、文華女子は、生徒の言葉を借りれば「友達がみんな親切」「先輩がやさしい」「親しみやすい先生が多い」「自分らしくノビノビできる」「学校が面白くてヤバイ」という雰囲気の学校です。生徒と先生の距離がとても近く、日常的に全教職員で生徒を大切に見守っているので、学習面は勿論のこと、人間関係であっても、決して「放っておかない」面倒見の良さがあります。それは、文華女子が何よりも「学校は楽しく=充実していなければならない」「まず楽しく通うことが全ての出発点である」「心から充実していたと思える高校時代にしなければならない」と考えているからです。高校時代は、将来を決めてしまうほど重要で大切な3年間です。文華女子には、文華女子という環境だからこそ磨かれる積極性や女子力、そして未来の選択肢を広げる新しい自分の発見があります。ぜひ文華女子で「幸せな人生を送るために必要な力」「何があっても誇りを失わず美しく生きていく力」を身につけていただきたいと願っております。

最後になりますが、文華女子は100年スクールとして、1万5千名を超える卒業生を輩出してきました。次の100年へ向けて、文華女子の「未来に活きる教育」が更に高い評価をいただけるよう、教職員「チーム文華」は全力を尽くしてまいります。新世紀へのスタート地点に立った文華女子にご期待ください。

吉本隆博